ライトノベル批評 『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeフレイヤ』

お疲れ様です。コロナが猛威を振るって久しく、皆さんはどう過ごされていますか?

こんな時こそ読書三昧はどうでしょうか!

 

[大森 藤ノ, ニリツ, ヤスダ スズヒト]のダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeフレイヤ (GA文庫)

 

というわけで『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか ファミリアクロニクル episodeフレイヤ』の感想をやっていきましょう。

 

メインストーリーは「私の伴侶はどこにいるのかしら?」美神フレイヤの発作から始まります。

頭を抱える眷属たちを尻目にフレイヤは1人旅に出ます。自由奔放な旅の行き先は砂漠世界カイオス。ここでフレイヤは若き王であるアリィに入れあげます。アリィを中心とした戦争にフレイヤと八人の眷属たちが介入した結果は…

 

といった感じです。まあ正直王道展開で戦いはもちろん無双、問答も良くも悪くも無難といった印象でした。ただ見どころは何といってもキャラ立てでしょう。

本編のダンまちはロキファミリアとの絡みが多く、フレイヤファミリアのことは余り描写されていませんでした。最強のオッタルの昔日やほかの眷属のやりとりは今刊では描かれています。レベル6の冒険者が束になってもかなわないオッタルの存在感とより強者になろうとする苦悩と渇きに胸をうたれたので、個人的にはロキファミリアより好きかもしれないです。フレイア様の寵愛を求めてこれから自己研鑽していきます笑。

 そんなメインストーリーとキャラ立てをしつつも今回の核心はやっぱりラストのフレイヤとシルの会話です。確かに本編では酒場の面々ではリューさんが圧倒的ヒロイン力をみせてシルの存在ってなんだろうと疑問に思っていました。ダンジョンニは戦闘力の面から行けず、ベルとの会話も他のヒロインに押されて最近ご無沙汰でした。しかし…シルとフレイヤが何らかの方法で入れ替わってるとしたら、状況は一変します。今回のメインストーリーでもわかる通りフレイヤが魅了を使えばすべてが茶番に成り下がります。しかし普通の町娘であるシルとなり替わり、そこで恋に落ちたとしたら、ベルは本当の伴侶となるのではないでしょうか。正直してやられました。大森藤ノ先生舐めていてすみません!思えば副団長のアレンをシルとの連絡と護衛の任に就かせていたり、ロキに豊穣の女主人の中で最も警戒されていました。ベルに好意を寄せているのがシル自身でなく、フレイヤだとしたら、フレイヤのヒロイン力は天井知らずです。そしてロキファミリアとの抗争以上にフレイヤファミリアとヘスティアファミリアの戦いは盛り上がることでしょう。そう考えるとメインストーリーも12巻を数え、これから一気に熱を帯びていくこと間違いなしです。